角田光代さんの「対岸の彼女」を読ませていただきました。
この本は、1年くらい前に中古の文庫本を購入しました。
本業の手が空かずに、今まで読めていませんでしたが、何か面白い作品が読みたいとの思いで、引っ張り出してきたものです。
直木賞を獲った作品ということはすっかり忘れていて、作品を読んでいましたが、どこか見たことあるような、聞いたことがあるような知っている内容だったことに、読み進めていくほどに気が付いていきました。
それもそのはず、オーディブルにて一度、聞いていた作品のようです。
オーディブルで聞いていた時も面白いと感じていた作品ですが、実際に小説として読んで、文として触れることで、作者の癖や、文の流れ、などの勉強にもなりましたし、印象も少し違くなった気がします。
オーディブルで聞いたのは、6か月くらい前かもしれませんので、聞いた時のことは思い出せませんが、それぞれに良さがあったと思います。
流れるように繰り出される情景を含んだ文章、ストーリー展開に引き込まれるのは、案外、オーディブルの方が感じられるかもしれません。
小説は、僕が読み慣れていないこともありますが、序盤と終盤は没頭できましたが、中盤らへんで、情景や、説明のような文が多く、少し読むペースが悪くなりました。
繊細な文面だったからかもしれませんが、僕には少し言葉が入ってこない感じがしました。完全読解力不足です。
ここからは、少し、ネタバレが含まれる可能性があるので、気を付けてください。できるだけ大丈夫なように書きますが。
序盤は、おとなしそうな二人でしたが、二人とも少しずつ自分の人生の物語を動かしていきます。
中盤になるにつれてそれは、どんどんと盛り上がっていき、終盤に向けてもその勢いが止まりません。
0からスタートするとして、序盤は一気に30に、中盤は長く50くらいが続き、中盤から終盤にかけて70くらいに、そして終盤の終盤で100になるような感覚でした。
のらりんくらりんというわけではなく、それぞれの場面でも抑揚がありました。
僕が、途中、内容を思い出したりする感覚がすごく無駄で、非常にもったいないと感じました。これを機にオーディブルは、一旦退会しようと思います。
これといった感想が書けないのが残念ではありますが、心に空いた穴が少し寂しくなる感覚がありました。
この感覚を小説で味合わせれる技量が素晴らしく、真似できないとおもいました。
プロはすごい。
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